ここ数日、「会計×歴史の偉人」と題して、
歴史の偉人と会計がいかに密接に
関係していたかを取り上げています。
歴史上なお残している人物は、ほとんど
すべてと言っていいほど会計を積極的に
勉強・活用し、また逆に会計を軽んじたから
こそ悲惨な末路を遂げていたりします。
皆さんの人生をより豊かに過ごすためにも
歴史の偉人から会計を学ぶことはとても大切。
ぜひ楽しみながら読んでみてください。
前回に引き続き、織田信長を取り上げます。
バラバラだった単位
あなたは自家用車をお持ちでしょうか?
もしくはレンタカーでしょうか?
どちらにせよ、車に乗るときに考えて
おかなきゃいけないのが、ガソリン代です。
地域にもよりますが、今のガソリン代は
おおよそ1ℓ=175円程度でしょうか。
地政学的な影響や物価上昇のあおりを受けて
ガソリン価格は上昇の一途。
車で出かけるにもガソリン代も予算に
考慮しておく必要がありますよね。
このガソリン価格、日本では「ℓ」を基準に
価格が決められていますが、この「ℓ」って
誰もが「『ℓ』と言えばこの量だよね」という
共通認識がありますよね。
もしこの「ℓ」が、ガソリンスタンドによって
量がまちまちだったらどうでしょうか?
買う側からすれば、同じ価格なのに少ない量の
ガソリンを買わされるかもしれず、おいそれと
ガソリンを車に入れることもできない。
逆に売る側も、そんな不信感を持つ買い手が
お客さんだと、商売あがったりですよね。
ガソリンを入れるたびに、他のスタンドと
量を比較するわけにもいかないですし。
こんな状況だと、取引が成立せずに、
ガソリン事業は成り立たなくなってしまいます。
信長も同じことに問題意識を持っていました。
そこで信長が行ったのが、枡と単位の統一です。
度量衡(どりょうこう)の統一
戦国時代、軍を支えるのに不可欠なのが
なんといっても食料です。これを年貢と
いう形で領民から徴収していたわけですが、
年貢を納めるときに、単位となる
「枡」(ます)が統一されていないと、
徴収人が大きな枡を使って量ることで、
年貢を余計にとってしまうということに。
これでは領民の中に不平不満・不公平感が
生まれますし、枡の不統一を理由に一揆が
起こることもあったそうな。
また、遠隔地と取引するにしても、
枡あたりいくらが決まっていないと
売り手と買い手で取引がしづらくなります。
この状況を打開するため、信長は枡の単位を
統一。永禄12年(1569年)に、京都で最も
広く用いられていた十合枡を全国統一の枡と
することを決めたそうです。
これは「京桝」(きょうます)と呼ばれます。
今でもお米を図る単位で枡が使われたり、
居酒屋で日本酒を頼むときの単位が
一合、二合となっているのは、信長のときの
十合枡が由来になっているというわけですね。
なお、単位の不統一については他の武将も
似たような問題意識は持っていたようですが、
これを大規模かつ徹底的に進めたのが
信長だそうです。
決算書でのルール統一
話を現代に。
少し小難しい話になりますが、
企業は1年の活動の結果として「決算書」と
いうものを作成し、株主や債権者などに
報告する決まりがあります。
売上がいくら、利益がいくら、
税金がいくら、資産がいくら、とかが
記載されている書類のことです。
この決算書がいわゆる企業の通信簿に
あたりますが、この通信簿は、評価される
対象である企業自身が作成します。
とすると、企業が考えそうなのは、
「自分に都合よく決算書を作っちゃえ」
ですよね。
ですが、売上高や利益、税金の計算方法が
企業独自に決められてしまっては、
決算書を利用して意思決定をする
利害関係者は困ってしまいます。
だからこそ、決算書の作成には
「一定のルール」が決められています。
それが「会計基準」と言われるものです。
これに従って決算書を作ることが、
企業には義務付けられているわけですね。
この「会計基準」というルールに従って
作られた決算書だからこそ、利害関係者も
安心して利用できるんです。
ルール設定の重要さが改めてわかります。
経済が円滑に回るための統一的な
ルール作りの重要性をよく理解していた信長。
その破天荒なイメージとは裏腹に、
意外ときっちり几帳面なところが
あったのかもしれないですね。
いろいろと会計力を発揮していた信長ですが、
まだまだこれだけでは終わりません。
次回も信長の会計力をご紹介する予定です。
~編集後記~
- 午前中は事務所へ郵便物の受取りに。
郵便物のためだけにいくのもなんだかなぁ
という気がしているので、ちょっと
何とかしようと思います。 - 午後~夕方は銀行へ保険料の振込みに。
今後は口座振替にするため書類もポストに
投函してきました。 - 夕食はちょっと奮発して、いい魚を
仕入ている懇意の魚屋さんから
刺身盛り合わせをゲット。
猫も舌鼓を打つ絶品のお刺身でした。 - ストーブの前でニヒルな感じのうちの猫
告知
3月に日本公認会計士協会東京会が
会計イベント「ハロー!会計」を開催します。
親子でお金のことを学べる貴重なイベント。
参加無料なのでぜひ足を運んでみてください!
【小学生】
日 時:2025年3月20日(木・祝)
14:00~16:00
※13:30開場。13:50までに
会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:小学4~6年生
参加費:無料
定 員:40名(先着順)
※申込多数のため、定員増えるかもしれません。
【中学生】
日 時:2025年3月16日(日)
14:00~16:30
※13:30開場。13:50までに
会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:中学1~3年生
定 員:84名(先着順)
【業務のご案内】
【SNS】フォローお願いします
- X(旧Twitter):会計その他気づきの発信
- Instagram:日々の自己研鑽を発信
- note:旧ブログ。