11/3(日)の共同通信の報道で、公立学校教員に対して残業時間に応じた
手当を支払う仕組みが検討されているとの報道がありました。
……ちょっと待ってください。
「学校の先生って、残業代そもそも支給されてなかったの!?」
とびっくりされる方もいるかもしれませんね。
そこについて触れる前に、11/5(火)にこんな報道も。
これも同じ共同通信です。
……どっちやねん、って感じですね。
まだ決まってないから一応否定しておいたのか、それとも
政府内でただ連携が取れていないのか、真偽のほどはわかりません。
ただ、この「教職調整額」という言葉については
知っておいてもいいんじゃないかと思います。
「教育調整額」とは?
法律でいうと「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」
(通称、給特法)が根拠になります。
その第3条第2項。
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(教育職員の教職調整額の支給等)
第三条
2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない
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確かに、時間外勤務手当どころか休日勤務まで支給しない法律になっています。
これだけみると「やっぱり、学校の先生ってなんてブラックだ!」と
思うでしょう。
一方で、同条第1項にこんな記述があります。
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第三条 教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、
その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、
教職調整額を支給しなければならない
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ここに出てきましたね。教職調整額。
毎月の給料の4%が教職調整額として支給される仕組みになっています。
「なんだ、形は違うけど別の手当てがあるんじゃないか」と思われたあなた。
よくよく考えてみてください。
もしご自身が、たくさん残業をして、翌月の給与明細を見たときに、
給与本体の4%しか残業代がついていなかったらどう思いますか?
暴れてもいい案件だと思いますよ。
先生たちの給料の実態
「でも他にもいろいろ手当てがあるんじゃ?」
「全体としてはそれなりの金額なんじゃないの?」
とも思ったので、その線も調べてみました。
以下は今年の4月9日の財務省の資料です。
これによると
「教職調整額を含む教員に特有の手当等を合わせると、平均すれば
教員1人当たり残業18時間分の手当(給料の9%相当)が既に支給されている。」
とありますね。
やっぱり他にも手当あるじゃないか、と一瞬は思います。
でも、ここで疑問が。
残業18時間分の手当てって、先生方の残業時間と比較して
十分なんでしょうか?
今度は文科省の令和4年4月4日の資料を見てみましょう。
厳密にいうと残業時間ではないのですが、参考になるデータとして
「在校等時間」というのがありました。
近年の「働き方改革」の効果も多少はあるのか、在校等時間は一応減少傾向。
大体平均すると、令和4年度で平日に10時間は学校に滞在しているようです。
教職員の方の就業時間はおそらく学校によっても異なるのではないかと推定しますが、
一般事業会社に置き換えて仮に9時間(1時間の昼休憩含む)が「時間内」だとすると、
1日の残業時間はは約1時間。月に20日働いて20時間。
加えて土日があります。
土日は1日あたりざっくり1時間だとすると、月に8日土日があって8時間。
結果、平日と合計すると28時間は毎月残業している計算になります。
18時間に10時間足りない結果となりました。
もちろんこの試算は公表数値をもとに私が簡便的にやっただけですから、
どこまで信ぴょう性があるか、というところです。
ただ、正味な話データに含まれていないけど現実は仕事をしている時間は
あるでしょうし、「学校の先生は待遇がよくない」という肌感覚と一致するのは確かです。
しかも近年学校の先生の業務上の負荷はますます増えているようですから、
本来はそれによってもお給料が見直されてしかるべきですよね。
教育次第で国が変わる
教育は、国の根幹です。
どんな教育が行われているかが、国の強さを決めると言ってもいいでしょう。
そんな大切な教育を担ってくださっている学校の先生方には、
少なくとも金銭的には十分な報酬をお渡ししないといけないですよね。
なお、この点に関して政府は、教職調整額を
13%に引き上げる方針を固めたそうです。
法案の提出は来年の通常国会を目指しているとか(1月に招集、会期は150日間)。
4%→13%、9%の引き上げは大きいですね。
しかし、この給特法が制定されたのは昭和41年。
制定からすでに60年近くたってようやくの改正です。
正直、遅すぎると思います。
先の衆議院選挙は混迷を極めましたが、果たして
今後の学校の先生に対する待遇はどうなるのでしょうか?
不安でなりません。
本来は、子どもたちへどんな教育を行うべきかという
教育の中身を議論すべきではありますが、残念ながら
それ以前に越えなければならないハードルがあるのも事実。
少しでも日本の教育制度が改善されるのを願うばかりです。
~編集後記~
- 月次決算支援第3営業日目。現場の方からの資料の出が遅くややビハインドといったところ。
加えて毎度お決まりのようにあるイレギュラー対応も行いました。 - 朝クライアントオフィスのそばに猿田彦コーヒーがあり、朝はそこで事務作業をしています。
アプリでスタンプが溜まったのでドリップコーヒーをもらいました。旅行に行くときにでも
持って行ってみようと思います。 - 他の猫が愛でられているのを真ん丸な目で順番待ちしているうちの猫
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