前回のブログから、「会計×歴史の偉人」と
題して、歴史の偉人と会計がいかに密接に
関係していたかを取り上げています。
歴史上なお残している人物は、ほとんど
すべてと言っていいほど会計を積極的に
勉強・活用し、また逆に会計を軽んじたから
こそ悲惨な末路を遂げていたりします。
皆さんの人生をより豊かに過ごすためにも
歴史の偉人から会計を学ぶことはとても大切。
ぜひ楽しみながら読んでみてください。
今回のテーマは、戦国時代の武将と言えば
この人を置いては語れませんよね。
そう、織田信長です。
織田信長のイメージ
織田信長、皆様はどんなイメージでしょうか?
・革新的で大胆
・冷徹で厳しい革命家
・常識知らずで行動粗野
・過激な行動
だいたいこんな感じのイメージを持っている人が
多いと思います。
ですが、これはあくまで信長の一面です。
このようなインパクトのある行動の裏側には、
会計に細かい几帳面な性格があったとも言えます。
学校の歴史の教科書では、あまりこの面は
取り上げないので、意外な方もいるんじゃ
ないでしょうか。
信長が導入した新たな貨幣制度
前回のブログで、中国(当時は明(みん))からの
銅銭の輸入が途絶え、日本国内での貨幣の流通が
滞って、貨幣経済の存続がピンチ!という状況に
陥ったことについて触れましたね。
戦国時代に入ってこのトレンドがますます加速
するかと思いきや、これに歯止めをかけようと
したのが、何を隠そうこの信長なんです。
では、信長は具体的に何を実行したのか?
それは、銅銭ではない通貨、つまり
金や銀を通貨として用いることを始めたんです。
日本では金や銀は使われていないものの、
今では硬貨には複数の種類の金属を使うことが
当たり前になっています。
ですが、当時は硬貨と言えば「銅」。他の金属を
使用するという発想がなかったようなので、
金や銀を使うという発想はかなり斬新。
この辺りはさすが信長といったところです。
イエズス会の宣教師ルイス=フロイスも、
自身が書いた報告書の中で、信長の拠点である
安土城に明智光秀が攻め入ったときに、その
蔵の中には、判金(はんきん)と呼ばれる
金貨の一種が大量に保管されていたと
述べています。
しかもその判金には、刻印が押され、かつ
重量によっても区分されていたそうです。
信長が、金を通貨として捉えていたことの
証拠と言えますね。
なぜ信長は貨幣制度に力を入れたのか?
信長は打算的な人間です。
ただの酔狂で金銀を貨幣として使おうと
したわけではないでしょう。
貨幣制度の発達が、信長にとってメリットが
あったからこそ推進したはずです。
貨幣は、そもそも交換するため手段です。
農家さんのお米と、漁師さんのお魚を
交換したくても、交換の基準がなければ、
どのくらいの量で交換すればいいのか
わからず、交換が進みませんよね。
これに「貨幣」という基準ができると、
ものの交換がしやすくなり、取引が進んで、
経済が活発化し、その経済圏が豊かになります。
戦乱の時代を生き抜くために、武力も
大事ですが、まずは自身の領地の経済力を
強化する必要があると、信長は考えました。
貨幣制度を促進させ、経済力を強化したのが、
実は信長なんですね。
意外とお金には几帳面だったのかもしれません。
信長から学ぶ現代経済
今の時代も、モノやお金がちゃんと流通する
ことはとても大切。お金はよく「経済の血液」と
たとえられます。
血流がいいと身体は健康になりますし、
逆に血流が悪いと身体に酸素が行き渡らず、
不健康になります。
日本は長らくデフレが続いていましたが、
これは血液であるお金がちゃんと巡っていない、
言い換えると、政府・企業・家計がお金を
なかなか使いたがらない状況にあるということ。
経済を活性化するには、ちゃんとお金が稼げて、
しかもその稼いだお金を使いたくなる、
そういう環境が必要なんですね。
政府は賃上げを一生懸命に進めていますが、
賃上げできているのは体力のある大企業だけで、
中小企業ではなかなか賃上げが進まないのが現実。
しかも、日本の企業の99%が中小企業という
事実を考えると、いかにこの中小企業が
もっと盛り上がっていけるかが、日本が
復活するカギであるのは間違いありません。
信長が貨幣を流通させようとしたことの
意義を我々も改めて学んで、どうすれば
お金がスムーズに、かつ流れるべきところに
流れる世の中になるか、考え直さなければ
いけないですね。
金銀も含めた貨幣経済発展の基礎を
戦国時代に築いた信長、他にも信長には
会計に関するエピソードがあるので、
また次回以降でご紹介します。
~編集後記~
- 今日もIPO支援でクライアントを往訪。
今月の往訪はこれで終わり。ある程度
慣れてきたので、もっとクライアントと
コミュニケーションを増やそうと思います。 - 人間のひざで暖を取るうちの猫
告知
3月に日本公認会計士協会東京会が
会計イベント「ハロー!会計」を開催します。
親子でお金のことを学べる貴重なイベント。
参加無料なのでぜひ足を運んでみてください!
【小学生】
日 時:2025年3月20日(木・祝)
14:00~16:00
※13:30開場。13:50までに
会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:小学4~6年生
参加費:無料
定 員:40名(先着順)
【中学生】
日 時:2025年3月16日(日)
14:00~16:30
※13:30開場。13:50までに
会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:中学1~3年生
定 員:84名(先着順)
【業務のご案内】
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