「カリキュラム・オーバーロード」という言葉をご存じでしょうか?
学校の子どもたちが受け入れ可能な学習量を超えてしまっている状態、
いわば教育過積載とも言うべき状態のことを言います。
このカリキュラム・オーバーロードのせいで、
子どもたちの不登校が増えたり、教職員の方の
負担が過度になっている状態が続いているのではと言われています。
学校の授業時間は、ここ30数年で下記のように推移。
1998年には時間数が減っていますが、これはいわゆる「ゆとり教育」ですね。
学校現場や保護者から授業が多過ぎると批判が起きたことに起因しています。
しかしその後学力の低下が叫ばれて時間数は再び増加。
カリキュラム・オーバーロードの状態が長期化することとなりました。
これにより子どもたちは6時間の詰込み授業で下校時刻にはぐったり。
先生方も、6時間の授業を除いた時間で保護者対応や職員会議その他
業務をやる必要があります。定時に帰れというのがそもそも構造的に無理です。
こんな状態で学校はどういう行動に出るか?
学習指導要領をこなすことに必死になるあまり、現場の子どもたちに
合った創意工夫のある授業が減少、質の高い教育の確保が難しくなるでしょう。
子どもたちもそれを感じ取り「授業はつまらないものだ」となって、
学校へ行くことの意義を感じづらくなって、不登校の温床にもなりかねません。
一筋縄ではいかない問題ではあると理解していますが、
日本の将来を左右する教育環境がこのようなずさんな状態では、
我が国の未来も推して知るべし、という状態です。
一つ考えられるとすれば、まずは国主導での学習指導要領の作成を
このまま続けていて本当に良いのか?というそもそも論でしょう。
国が改善できているならもうとっくにできているはずですから。
まずは徐々にで構わないので、学習指導要領での要求事項を削減。
各学校での裁量の余地を増やす方向に変更していきます。
そのうえで、各地域の特色や先生方の考え方に応じた教育内容を
現場で組み立ててもらい、これを子どもたちに教える形がいいんじゃないでしょうか。
子どもたちのことを一番わかっているのは、現場の先生方なのですから。
もちろん現場に丸投げするのではなく、国もしかるべき関与は
タイムリーにすべきとは思います。
つまり、現在の国トップダウン型の教育構造から、
現場ボトムアップ型の教育構造への転換を行う、ということです。
いままでの仕組みの中でちょっとリフォームするくらいでは改善しないでしょう。
すでに解体→再建築をしなければいけない状態にまで事態は悪化していると思います。
国はこんなスクラップアンドビルドなんかできない(=やりたくない)でしょうし。
学校の先生以外の専門家の関与をもっと増やす(=予算もその分追加)ことも選択肢かと。
我々のような会計士が行う「ハロー!会計」もその一環です。
子どもたちが無理なくのびのび育ってくれる環境は何かを念頭に置いたうえで、
日本全体で一丸となってボトムアップ型の教育制度が確立できるといいですね。
~編集後記~
- 今日は屋久島ツアー最終日。名物の飛び魚ひつまぶしをランチにいただきつつ、
帰路につきました。 - 家に帰ったら、猫のご機嫌うかがい。姪っ子に面倒見てもらっていたとはいえ
さみしかったでしょうから、しばらくは甘やかしボーナスタイムになりそうです。 - お腹を毛づくろいしている母猫と構ってほしそうにこちらをみる娘猫
【SNS】フォローお願いします
- X(旧Twitter):会計・その他気づきの発信
- Instagram:日々の自己研鑽を発信
- note:旧ブログ。