ジャクソンホール会議にみる経済の動向

経済

皆さんは「ジャクソンホール会議」というものをご存じでしょうか?

金融業界に属している方であればなじみがあるかもしれませんが、
そうでないとなかなか耳にしにくい言葉です。

このジャクソンホール会議というのは、毎年8月にアメリカの
ワイオミング州にあるジャクソンホールという場所で開催されるもので、
野村証券の用語解説にもある通り、世界各国から中央銀行総裁や
政治家、学者などが参加し、世界経済や金融政策について議論を交わす場となっています。

ジャクソンホール会議|証券用語解説集|野村證券
野村證券の証券用語解説集「ジャクソンホール会議」のページ。新聞やニュースなどでも使われる証券用語をわかりやすく解説しています。キーワード検索やよくチェックされている用語もご覧いただけます。

なかでも、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度)の議長の発言は
世界経済に大きな影響を与えるため、毎年この時期になると
「今年は何を言うのか」と非常に注目を集めます。特に金利。

さて、では今年FRB議長であるパウエル氏は何を発言したか?
要旨がロイターで記事になっていました。

情報BOX:パウエルFRB議長のジャクソンホール講演要旨
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、米年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演した。

その中で私が注目したのは

  • 政策調整の時が来た
  • インフレ率は大幅に低下し、現在は目標にかなり近づいている
  • 労働市場の冷え込みは明白、もはや過熱状態にない

このあたりの発言です。

一言でいうと「利下げの状況にある」と言いたいわけです。

アメリカやヨーロッパを中心にここ数年急激なインフレが進んでおり、
中央銀行は利上げをすることでこの加熱っぷりを抑制しようとしています。

そのインフレ率が大幅に低下し、過熱状態ではなくなったので、
今まで上げてきた金利を利下げに転じよう、という趣旨ですね。

一方で日本。こちらは逆に利上げの方向に向かっています。

日銀 追加利上げ決定 政策金利0.25%程度に【総裁会見詳細も】 | NHK
【NHK】日銀は、31日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決めました。これについて植…

アメリカは利下げ、日本は利上げ、つまり日米の金利差が縮まる見通しとなっています。

そして日米の金利差が縮まると何が起きるのか?

それは円高ドル安です。

以前こちらのブログで、今後は円高ドル安に進むのでは?という仮説をご紹介しましたが、
この仮説に整合する流れが起きていますね。

仮説思考で経済を読む① ~為替レート~
「仮説思考」というのを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 これは、以下のステップを踏むものの考え方です。 過去の経緯、現在置かれている環境や発生している事象等を踏まえて、今後どのような展開になりそうかの仮説を立てる 上記仮説を
仮説思考で経済を読む② ~為替レート(続き)~
前回のブログで、為替レートを例にとって経済における仮説思考を考えてみました。 簡単に復習すると 金利の低い国の通貨は売られやすい→通貨安傾向 金利の高い国の通貨は買われやすい→通貨高傾向 ということでしたね。 金利は現状の経済システムが成長

この円高ドル安がどこまで進むかを正確に予測することは不可能ですが、
今後アメリカが極端な円高ドル安政策をとる可能性があることも考えると、
場合によっては1ドル50円くらいにまで円高が進んでも全然おかしくありませんね。

日本国内だけ見ていても、経済の動きは見えてきません。
世界で何が起こっているかも把握しつつ、自身の行動に落とし込んでいきましょう。

~編集後記~

  • ペン字
  • IPO実務検定試験上級の勉強を。会計基準の続きと、内部統制。
  • 午後は9/22(日)出演予定の発表会の練習でした。どうしても苦手な振りがあって、なかなか体に定着せず。練習あるのみですね。
  • デスクを我が物顔で占領しているうちの猫
使いたいなら許可とってー(カツオ)

【SNS】フォローお願いします