GDPをひも解くとどうすれば国民が豊かになるかわかる

経済

経済ニュースでよくGDPがどうのこうの、という記事ってよく見かけますよね。
でもGDPってそもそも何?っていう人が大半だと思います。
このGDP、何を示す指標で、どんな計算式かを見れば、
どうすれば国民が豊かになるか、その糸口が見えてきたりします。

まず、「GDP」は「Gross-Domestic-Product」の略で、
日本語で「国内総生産」と言われます。

そしてその計算式はこれ。

GDP(国内総生産)=個人の消費額+国内企業の投資額+政府支出+(輸出額-輸入額)

輸出入が入ると少しややこしくなるので、それ以外の要素に焦点を当てて言い換えれば、
「日本の個人と企業と政府が国内でどれだけお金を使ったか?」を示す指標と言えますね。

この「どれだけお金を使ったか?」という目線で、各国の経済規模が測定されていて、
前年同月比○%上昇した or 下落した、世界で何位になった、と分析されます。

じゃあなんでこのGDPに着目されるのか?ですよね。
このGDPは、景気の良し悪しと強くリンクしているからです。
身近な例に置き換えて考えてみましょう。

皆さん、以下の2つの状況があった時に、どっちがよりお金を使いたいと思いますか?
①景気が悪い時
②景気がいい時

①の景気が悪い時は、経済が滞っていて、給料も上がらず、将来に不安を抱えている状況です。
そんな時に今お金を使おうとするかというと、そんなことはありませんよね。
景気が悪いんだから、欲しいものがあっても我慢して、お金を使うのは控えよう、
というマインドになると思います。

一方、②の景気がいい時は、経済は好循環を起こしていて、給料は順調に上がり、
先行き不安も少なく、明るい将来を描けるような状況です。
そうなると、人は気持ちが大きくなって、「美味しいもの食べに行こう」とか
「旅行に行こう」とか、お金を積極的に使うようになります。

お金を使うのを控える国と、お金を積極的に使う国。
どちらがより豊かかというと、それはもちろん後者ですよね。

そして「お金を使う」=「消費や投資が多い」ということですから、
GDPが高いということは、それだけ国が豊かであることの証拠
GDPで国の経済の豊かさが測られるのは、そういう理由からです。

さて、それでは現在の日本のGDPはどうでしょうか?
総額だと人口が多さに比例してしまうので、1人当たりGDPで見てみます。

まず、今から34年前の1990年ではどうだったか。

出典:GLOBAL NOTE「1人当たり名目GDP(IMF統計)」

日本は堂々の世界第8位。アメリカを上回る水準です。
高度経済成長を経て、以下に日本がお金を使いたくなる国だったかということがわかりますね。

では、直近の2023年はどうか。トップ10はこうなっていました。

……いませんね、日本。
11位以下を見ていくと…

ようやくありました。なんと34位
金額ベースではUS$25,810→US$33,806と伸びてはいますが、
順位としてはかなり落ち込み。韓国にも抜かれる勢いです。
(ちなみに韓国の1990年は、US$6,610で42位でした)
日本が相対的にお金を使うのを控えてしまう国になっているんですね……

「失われた30年」で日本が貧しくなってしまったというのが、
こういうデータで裏付けられています。

個人や企業がもっと消費・投資したくなる国にしなければいけないですが、
そう簡単に個人や企業は消費や投資をしてはくれません。
まずはお金を使いたくなる状況、つまり需要を生み出すのが先決です。

こういう時こそ、政府の出番です。
政府は公共事業などで需要を作り出すことができますから、
政府が積極的にお金を使うことで需要を生み出し、
個人や企業がお金を使いたくなる呼び水にするんです。
そうすれば政府支出だけでなく個人消費も企業投資も伸び、
GDPも高まります。

そしてもう一つ。最も影響力のある個人消費が伸びないのは、
消費税その他の税金が足かせになっているからです。
物やサービスを買うたびに10%の税金がとられるなら、
そりゃ買い控えもしますよね

需要が冷え込んでいる今の日本に必要なのは、この政府支出の増加、
すなわち積極財政と減税なのですが、どうやら今の政府は
この2つをするつもりがないようで……コロナ対策費には湯水のように使ってましたけど。

もし今開催されている衆議院議員解散総選挙の結果、積極財政&減税をしない方針が
継続されてしまえば、日本はますますGDPが下がり、国民は豊かにはなれないでしょう。

そんな政治家はアカン!と思うなら、そういう人物を政治家にさせないための
行動をするべきです。

投票に行って、選挙権を行使するんです。

この解散総選挙は、そういう意味ではチャンスでもあるわけです。
自分、ひいては国全体が豊かになるために、投票に行きましょう。

~編集後記~

  • 業務プロセスヒアリングの書き起こし(業務記述書・フローチャート)の続き。今回は仕入計上・債務支払プロセスです。ゼロからの書き起こしは時間がかかりますね。
  • 新リース基準導入のインパクトに関するウェビナーを受講。スライドがコンパクトにまとまっていて勉強になりました。
  • 肌寒い時にも日なたスポットをちゃっかり見つけるうちの猫
知ってる?ここあったかいんだよ(なみ)

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