前々回・前回と、為替レートを例にとって経済に関する仮説思考をご紹介しました。
簡単にまとめると
- 日本は利上げ傾向・アメリカは利下げ傾向→円が買われてドルが売られる
- アメリカのトランプ前大統領が、自身が当選したらドル安政策をとると表明している
→今後さらなる円高ドル安が進むのではという仮説が立てられる
という感じですね。
そして、経済を読むためにもう一つ大事な要素があります。
それが「株価」です。
ここ2日間、日経平均株価はだいぶ大暴れしていますね。バブル崩壊時のブラックマンデー以来の下げ幅かと思えば、次の日にはすぐ反発。NISAの利用が拡大している今の状況では、相当混乱されている方もいるのではないでしょうか?
さて、では株価に関してどういう仮説思考を立ててみましょうか。
私が想定してみたのは次の2つです。
①日本のマネタリーベースはかつてないほどのボリュームになっている
「マネタリーベース」というのは、「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」で表され、「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。
その世の中に出回っているお金が、2013年の黒田総裁就任以降、「異次元の金融緩和」によってどんどん膨張しています。
バブルが崩壊した1990年前後と比較すると、とんでもない膨張っぷりですね。
これは、株価に影響を与えることのできるマネーが市場にじゃぶじゃぶなので、バブル崩壊時とは比べ物にならないほどのインパクトを株価に及ぼせる状態にある、とも言えます。
ただ、株価にものすごい影響を与えうるということは想像できますが、じゃあこれが株高につながるのか?それとも株安につながるのか?となると、これだけではまだ仮説が立てられません。
そこで私は、2つ目の要素を考慮すべきと考えています。
②今後金融の流れがアジア、とりわけ日本に集約されてくる
日本のメディアはそこまでフィーチャーして報道していないようですが、いま海外、特にアメリカやヨーロッパなどの西側諸国が落ち目にある状況です。
気候変動に代表される環境政策、移民問題、LGBTQなどのジェンダー議論などなど。意見が2つに分断され、暴動に発展しているところもあります。
さらにBRICsを筆頭に、基軸通貨であるドルから離脱する動きも顕著です。
今後の大きな流れとしては、先進国と呼ばれ世界経済をけん引していた西側諸国が衰退していくんだと感じています。
となると、今後の経済金融の中心はどこになるのか?
私は日本となる可能性は十分にあると考えています。
BRICsは確かに勢いはありますが、金融の中心になるかというとちょっと違和感があり、中東も同様。ましてやアフリカもまだまだこれからという印象です。
日本に投資マネーが集中し、世界の金融の中心になるシナリオは一定程度ありえるでしょう。
この①と②の要素を踏まえると、私なりの仮説は以下のようになります。
かつてないほどにあふれたマネーが、海外からの投資も相まって日本の金融市場に流れ込み、バブルの比ではないくらいの株高(日経平均5万円、10万円レベル)になるのではないか?
突拍子もない仮説かもしれませんが、現状を見る限り全くないシナリオとは考えにくいのですよね。
もちろん未来のことはだれにもわかりません。少なくとも自分なりにいろんな角度の情報を収集し、それをもとに仮説を立てたうえで行動してみる。それが大事だということです。
決してこの仮説を真に受けて日本株にお金をつぎ込んで失敗しないようにしてください笑
~編集後記~
- 今日は月次決算の第4営業日目。仕訳の起票にちょっと手間取り、進捗は気持ちビハインドでしょうか。
- 18:30からは日本公認会計士協会東京会の会計普及委員会のオンライン全体会議。私のような新任の委員がいるので各人簡単な自己紹介と委員会活動の概要説明、今後の予定等々の共有。
- 暑いうえに湿度が高くで心配になる感じで伸びているうちの猫
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