日本公認会計士協会会則の第210条に、このような文言があります。
(会計基礎教育)
第210条 本会は、会計専門家である公認会計士の組織する団体として、社会における会計に関する基礎的な素養の定着と会計の有用性に関する認識向上のための教育(「会計基礎教育」)の充実に資するため、必要な事業を行う。
同会則は、公認会計士がその職務を行うにあたって従うべき規則です。
その中に「会計基礎教育の充実に資する」活動を行うことが定められています。
大切なことだと思います。
会計の素養はとても重要で、私も会計の知識が多少なりともあることで
経済の読み解きや過去の歴史、将来どうなりそうかの仮説と行動に役立てることができています。
しかし思ったのですが、感覚として、この「会計基礎教育」に携わっている公認会計士は
日本全体でどのくらいいるのでしょうか?
直接的なデータを公表しているところはなさそうですが、私が推測するに、
ごく限られた割合しかいないのではないかという感触が強いです。
日本公認会計士協会の会員数調によると、2024年7月現在での会員数(=公認会計士の数)は
36,383人。これに対して、現在私が携わっている東京会の会計普及委員会の委員人数は30名弱。
割合にしてなんと0.08%でした。
もちろん、会計普及委員会だけが会計基礎教育活動ではありません。
各組織や個人として活動されている方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、この割合を十分な水準に引き上げられるだけの人数がいるとは
ちょっと考えづらいですよね。
では、どうすれば少しでも会計教育に従事する公認会計士の人数を
底上げすることができるか。
それはやはり「実際に教育の現場に触れてもらう」というのが一番でしょう。
公認会計士を目指す方の同期は様々でしょうが、最初から「会計教育に従事したい」という
志を持っている人はまずいません。私もそうでした。
このような志を持つようになったのは、ある程度の実務経験を積んでからです。
そのような会計教育にまだぴんと来ていない方々に、例えば持ち回りでもいいので、
定期的に学校訪問などのプロジェクトに参加してもらい、
- 実際の現場はどうなっているのか
- 会計教育は学校で十分に行われているか
- 公認会計士のことを知ってくれている子どもたちはどのくらいいるのか
といったことを肌で感じて、会計教育の大切さ(あるいは、危機感)を認識してもらうのが
入り口なんじゃないかと思っています。
会計を伝えるべき子どもたちはいても、伝えることのできる人材がいなければ意味はありません。
子どもたちへの教育も大切ですが、同じ志を持つ会計士が一人でも増えるような活動も
並行して行っていきたいと思います(このブログの目的の一つもそれです)。
~編集後記~
- ペン字、は金曜までお休みです。父の実家のある栃木に2泊3日で行ってきます。
- IPO協会の会員になったので、いろいろ研修を受けようかと。手始めにⅠの部に関する解説会のウェブセミナーを受けてみるつもりです。
- 朝ご飯を食べ終えて思い思いに転がっているうちの猫たち
【SNS】フォローお願いします
- X(旧Twitter):会計・その他気づきの発信
- Instagram:日々の自己研鑽を発信
- note:旧ブログ。