ここ数年、政府主導の下で「働き方改革」が推進されています。
ご存じのとおり、労働環境の改善、多様な働き方、生産性向上や
ワークライフバランスの実現を目指しています。
なのですが、私はこの施策にちょっと違和感を覚えています。
自分の働き方を見直すこと自体はとてもいいことです。
もっと自分にとって合う働き方を目指して、より充実した
働き方を追求したいものですよね。
なのですが、どうも私にはこの「働き方改革」が
「長時間労働=悪」という前提に偏りすぎているように思えてなりません。
そして長時間労働を是正したことによって、逆に弊害が
出ている面もあるはずなのですが、果たしてそこにも
スポットが当たっているのかどうか。
まず「長時間労働=悪」についてですが、
そもそもなぜ「長時間労働=悪」なのでしょうか?
働きすぎると身体を壊すから?
働きすぎて家庭を省みなくなるから?
もちろんそういう一面はあるかもしれませんが、
それはあくまで「一面」であって、すべてではないと思います。
中には長時間労働が自分に合ったスタイルの人もいて、
時間の許す限り働き続けたいという人もいるでしょう。
それなのに、すべての人に対して画一的に
「長時間労働は悪いことだからやめましょう」と
呼びかけるのは、ちょっと違うような気もしています。
「長時間労働にはこういういい面もある、こういう悪い面もある。
だからそれぞれに合った働き方を自分で選んでいきましょう」
これならわかるんですけどね。
また、長時間労働を是正したことによる弊害もあるんじゃないかと。
よくよく考えてみてください。
あくまで経済的な観点からですが、長時間労働が
なくなったら、労働者にとって何が起こるでしょうか?
長時間労働をしなくなる
↓
定時に帰ることが当たり前になる
↓
賃金が減る
です。
つまり、長時間労働をしなくなればなるほど、
国民は貧乏になっていくんです。
考えてみれば当たり前ですよね。
じゃあ長時間労働をしなくなった分、賃金水準は
それに見合って上がっているかというと、そんなことはない。
まず給与ですが、1990年代から給与は横ばい、あるいは若干の減少傾向にあります。
一方で企業の内部留保。
どんどん伸びていっているんです。
これ、どういうことかわかりますか?
「働き方改革法案」は2019年4月1日から段階的に施行されています。
会社としての生産性が上がって利益は蓄えられた一方、労働者の賃金には
全然反映されていない状況の中で、「働き方改革法案」はこれを助長させるような
形で生み出されたということの現れです。
この側面は、TVや新聞ではほとんど取り上げていませんね。
もちろんこの法案の施行で、過労の問題が解決出来たり、
家族との時間を持てたりというプラスの側面があることも理解しています。
私が言いたいのは、どんなものにもプラスの側面とマイナスの側面があり、
この両方を理解したうえで我々は選択をしていく必要がある、ということです。
この世の全ては表と裏、陰と陽で成り立っています。
表だけ、裏だけ、陰だけ、陽だけ、というのはこの世の
法則に反することであり、絶対に成立しません。
じゃあ、私はどんな「働き方改革」を望むのか?
それは「楽しく働ける環境の構築」です。
楽しく働けるなら長時間労働だって大歓迎ですし、
逆に楽しくないことのためには働きたくありません。
だとすると、どういう状態が「楽しく働ける」状態なのか?
というところが問題になってきます。
私にとって「楽しく働ける」状態とは、
自分の手の届く範囲の方に喜んだいただけるような
仕事ができている状況だと思っています。
「自分の手の届く範囲の人」は、仕事で関わる人だけじゃなく、
家族や友人も含みます。
自分がその仕事をすることで、周囲の人が喜ぶかどうか、
これが私の基準です。
幸い独立してから、少しずつですがこれができてきているように思います。
そういう意味でも、私にとっては独立は良い選択肢でした。
皆様にとっての「働き方改革」とは何でしょうか?
政府の施策だから、ではなく、一度ご自身で考えてみるのもいいかもしれません。
~編集後記~
- 今日は昼から両親の実家へ。姉とその子どもたち、私にとっては甥っ子姪っ子も
地方から帰省していました。午後に神社にお参りに行った後はトランプをしたり、
プロレスごっこをしたり、日本酒の飲み比べ会をやったりと、リラックスな時間を過ごせました。 - 移動の電車では、リースコラムの執筆を。今書いているテーマは「リースを構成する
部分とリースを構成しない部分の区分」です。こちらは2月に財務報告実務検定様の
会員限定サイトにて公開予定です。 - 帰りが遅くなって愛でてもらいたすぎて目で訴えかけるうちの猫
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