決算書をざっくり理解~貸借対照表その2

会計

少し間が空きましたが、引き続き
決算書に関するお話を。
これまでの以下のお話をしてきました。

「数字に強くなりたい」ですか?
数字の学び方、の学び方
「数字が読める」状態とは?
決算書ってどんな種類があるの?
決算書をざっくり理解~貸借対照表

今日は貸借対照表(BS)の続きの
お話をしていこうと思います。

もう1つのお金の調達先

右から左にお金流れている様子が
読み取れるのがBSでしたね。
図にするとこんな感じです↓

イ:他人から調達したお金→「負債」
ウ:自分で調達したお金→「資本」

の2つのお金の調達先がある、というのが
前回の復習になります。



なのですが、実はこのお金の調達先は
これだけではありません。
自分のお金でもなく、他人からの借金
でもなく、別のところから調達する
方法があるんです。




「いやいや、自己資金と借金以外にお金を
調達できる方法なんてないでしょ」
という声が聞こえてきそうですが、
実はビジネスをやられている方なら
当たり前にやっている方法なんです。

お客様にいかに付加価値を届けるか

企業は、どうやって事業を継続するでしょうか?
そもそも事業を行うというのは
どういうことでしょうか?



通常の会社であれば「営利」を目的に設立します。
「営利」、つまり設けることですよね。
いい商品やサービスを作り出して、それを
必要とする人々に届けていく。
届けた対価として、お金をいただく。
これば営利目的企業の基本構造です。



いい商品やサービスを作りだして
これは言い換えると、価値の提供です。



お客様が「お金を払ってよかった」と
思えるような価値を提供し続ける、
これがビジネスの根幹です。



そしてこれこそが、もう1つのお金の調達方法。
自分や他人から調達した資金を活用して
調達した資金よりもさらに付加価値のある
商品やサービスを生み出し、その対価として
お金をいただく、
これが、もう1つの調達方法です。



よくよく考えると、当たり前のことですよね。
商品やサービスを売ってお金を儲けて、
その儲けたお金を活用してさらに別の
商品やサービスを生み出していく、
こうやって企業にお金が調達されていきます。



図に表すと、こんな感じ。

最も大切なお金の調達方法は

このお金の調達方法は、ある意味
一番重要な調達方法と言えます。



会社が事業をスタートした時は、
イやウでしか資金を調達できません。
なのに、なぜ事業を開始したばかりの
会社が、イやウの資金調達をできるのか?



それは、会社に貸したり出資したりした
お金を活用して、将来生み出すであろう
儲けを期待しているからです。




お金を貸すにしても出資するにしても、
普通は何の見返りもなくお金を出しませんよね。
出資だったら配当や株価の上昇、
貸付けだったら利息収入を期待して
お金を貸すものです。



では、自分や他人から調達した資金を
上手く活用できず、配当や利息を
払えなくなってしまったら、その会社は
いったいどうなるでしょうか?



「儲けられないならお金を出す意味ないよね」
となって、お金は引き上げられてしまいます。
こうなってしまっては、会社は事業を
続けることが出来ずにあえなく倒産の
道をたどることに。



付加価値を生み出し続けるからこそ、
会社はお客様からその対価を受け取り、
出資者やお金を貸している人の期待に
答えることが出来る、というわけです。

付加価値は決算書上どう表される?

以上、お金の調達方法をお話して
きましたが、今回紹介した3つめの
お金の調達方法、付加価値を生み出して
対価を受け取ることに関し、とても重要な
決算書があるんです。
それが、損益計算書(そんえきけいさんしょ)。



次回以降は、この損益計算書が何なのかや、
付加価値がその決算書でどう表現されるのか、
BSとの関連性について解説しようと思います。

編集後記

  • 午前中はPCのファイル整理を。
    フォルダの階層があまりにも深く
    なりすぎてしまったので、極力
    フォルダを使わないように、
    ファイル名を整理しつつ、ほぼ
    1つのフォルダにまとめました。
    ファイル名の整理は、ChatGPTに
    マクロを作ってもらいながら効率化。
  • ランチは、いつものダンス仲間と妻と。
    帰りに本屋に寄って、本を2冊購入。
    田中靖浩先生
    「マンガ 会計の世界史」
    相良奈美香氏
    「行動経済学が最強の学問である」
    行動経済学は前から興味があったので、
    楽しみです。
  • お気に入り毛布に埋められてるうちの猫

告知

3月に日本公認会計士協会東京会が
会計イベント「ハロー!会計」を開催します。
親子でお金のことを学べる貴重なイベント。
参加無料なのでぜひ足を運んでみてください!

詳細はこちら

【小学生】
日 時:2025年3月20日(木・祝)
    14:00~16:00
    ※13:30開場。13:50までに
    会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:小学4~6年生
参加費:無料
定 員:40名(先着順)
※申込多数のため、定員増えるかもしれません。
【中学生】
日 時:2025年3月16日(日)
    14:00~16:30
    ※13:30開場。13:50までに
    会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:中学1~3年生
定 員:84名(先着順)