前回のブログで、為替レートを例にとって経済における仮説思考を考えてみました。
簡単に復習すると
- 金利の低い国の通貨は売られやすい→通貨安傾向
- 金利の高い国の通貨は買われやすい→通貨高傾向
ということでしたね。
金利は現状の経済システムが成長を続けるにあたってなくてはならない要素です。当然為替にも大きな影響を与えます。
ただ、足元の状況においては、もう一つ為替レートに影響を及ぼしうる要素があります。
それが、アメリカ大統領選挙です。
先日バイデン大統領が次回大統領選挙への出馬を辞退し、カマラ・ハリス副大統領が民主党代表の座を確実にしましたね。これに関してはいろんな報道やいろんな意見がありますが、いったんその点は置いておいて。
ここで注目したいのは、経済を読むうえでトランプ前大統領が非常に重要なことを話しています。
トランプ前大統領は、自国第一主義のような政策を掲げていて、中でも自国の製造業を復活させたいと考えています。そのためにはアメリカにとって今の「円安ドル高は大惨事」というスタンスです。
ではなぜ製造業にとって円安ドル高は大惨事とトランプは主張しているのか?
それは、輸出を伴う製造業にとっては、自国の通貨が安いことは追い風になるからです。
例えばドル/円の為替レートが150円だった場合、円で販売価格1ドルアメリカ製の製品を買おうとすると、150円を払う必要があります。
一方ドル/円の為替レートが100円だった場合はどうでしょうか。このケースだと、円が高くなってドルが安くなっている状態ですね。
同じように円で販売価格1ドルアメリカ製の製品を買おうとします。すると150円だった時と比較して、より少ない円でアメリカ製の製品を買うことができますね。
もし各国での製品の品質が同一だとすれば、同じものを買うにしても安く買える方が得ですよね。つまり、安いアメリカ製の製品が選択されることになり、結果として海外における価格競争力が高まるわけです。トランプ前大統領はこれを狙っています。
話を大統領選に戻しましょう。現状カマラ・ハリス副大統領がご祝儀相場で支持率を持ち直しているものの、依然トランプ有利な状況のように思われます。もちろん一寸先は闇ですが。
仮にこのままの勢いでトランプが大統領に返り咲いたとすると、何が起こるか?
先ほど述べた通り、トランプは製造業を復活させるべく、為替レートを自国通貨安にするような施策をとることが予想されます。
とすると、今後考えられるシナリオは?
日米での金利差が縮まる、加えてトランプが大統領になれば、さらに円高ドル安に進む可能性が高いのではないか?
という、前回立てた仮説がさらに現実味を帯びてきますね。(一応)世界の基軸通貨であるドルを有するアメリカがとる経済政策は影響力も大きくなります。
このように、政治的な動きも金融経済に多かれ少なかれ影響を与えるので、いかにこのような情報にアンテナを立てておくのかが重要です。
こういった情報は、日本国内のTVや新聞などの大手メディアの情報を見聞きするだけではなかなか入ってきません(むしろミスリードされる方が多いかも)。自ら能動的に情報を選んで読み解いていくスキルが必要になるでしょう。
私はFeedlyというサイトを活用して、いろんな媒体の情報を効率よく収集できるようにしています。Feedlyについては、旧ブログであるnoteでも取り上げていますので、気になる方はそちらもご覧ください。
そして為替と同じくらい、いやそれ以上に注目されているのが株価ですね。
最近は日経平均株価がジェットコースターのように上がったり下がったりしています。次回はこの辺りに触れていければと。
~編集後記~
- ペン字、は今回は他の予定を優先してお休み
- IPO検定試験の上級を9月末に受けるためその勉強を。選択式に加え記述式もあるので、その対策に取り掛かりました。
- 今日は月次決算支援第3営業日目。欲しかったデータが予定よりも遅くに手に入ったため20時くらいまで対応していました。
- 顔が隠れていると全身隠れられてると勘違いしているソファー下のうちの猫
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