【会計×歴史の偉人】織田信長③-台帳づくりで公平な徴税を

会計

ここ数日、「会計×歴史の偉人」と題して、
歴史の偉人と会計がいかに密接に
関係していたかを取り上げています。



歴史上なお残している人物は、ほとんど
すべてと言っていいほど会計を積極的に
勉強・活用し、また逆に会計を軽んじたから
こそ悲惨な末路を遂げていたりします。



皆さんの人生をより豊かに過ごすためにも
歴史の偉人から会計を学ぶことはとても大切。
ぜひ楽しみながら読んでみてください。

前回に引き続き、織田信長を取り上げます。

次に調査するのは…?

貨幣制度の礎を作り、測定の基準となる
枡を統一し、自領の経済力強化を狙った信長。
経済が活発化すると、領地にいる農民の
暮らしは豊かになり、徴税するだけの
資力も蓄えられてきます。



そこで信長は次の一手を考えました。
それが「検地」です。



「検地」とは、農地の広さ・土地柄を
調査して、コメの収穫量を測り、
年貢の基準を決める作業のことをいいます。



信長ののちに大掛かりな検地をやったのが
豊臣秀吉で、「太閤検地」という言葉は
歴史の教科書でも聞いたことがありますよね。



この検地、秀吉が最初ではなく、信長が
実施した検地を秀吉が踏襲した、という言い方
のほうが正しいようです。

現代でいう固定資産税の性格

「固定資産税」という税金をご存じでしょうか?
固定資産税は、土地や家屋などの不動産に対して
課税される税金です。不動産の評価額に基づいて
税額が決まり、毎年一定の割合で課税されます。



土地の場所や面積・形状、建物の状態や構造など
によってその税額は異なり、例えば新築の
建物や交通の便の良い場所にある土地には
高い税額が課せられます。



信長も、経済が活性化したら、当然年貢という
税金を取りたくなります。
しかし、ただやみくもに税金を取ろうとすると、
裕福な領民から安い税金・貧しい領民から
高い税金を取ることになりかねないなど、
不公平感が生まれてしまいますよね。



そこで信長が実施したのが先ほどの「検地」。
縄入れと呼ばれる実測を行って、農民が持つ
土地の正確な測定を行ったと言われています




これによって信長は、各農民がどれだけの
土地を持っているのかを正確に把握でき、
その土地の内容に応じた年貢を設定する
ことが出来るようになりました。




豊かで広い土地を持つ農民からは多い年貢を、
荒れて狭い土地を持つ農民からは少ない年貢を。
土地の状況に応じた年貢を設定することで
不公平感を解消しつつ、効率的に年貢を
取り立てることに成功しました。

まさに、戦国時代版固定資産税、といった
ところですね。

検地の難しさ

実はこの検地、領主側も簡単に
実施できるものではなかったようです。




農民は各地に「隠し田」を持っている
ことがあり、検地によってこれが見つかる
ことを恐れていました。
なので、下手に検地をすると、農民側から
一揆を起こされる可能性があり、これまでの
領主は検地に踏み切れなかったのが実情でした。



それを信長は、かなり細かい単位の検地を
実際に行ったようです。
これは、信長の勢力がそれだけ強く、また
農民の信長に対する信頼がとても厚かった

ということを表しているのでしょうね。
乱暴者で嫌われ者、というイメージのある
信長なので、これは本当に意外です。



経済が発展して、かつ公平性のある
税の制度設計が行われることで、
領地の財政が健全になることを
わかっていたかのような信長の施策。
信長の頭の中では、かなり緻密な
計算が行われていたのかもしれませんね。

~編集後記~

  • 午前中は自宅の掃除機&床拭きと、
    今度旅行に行くフライトの予約を。
    近々海外に行く予定です。
  • 午後は今年初めてのダンスレッスンへ。
    行こう行こうと思いながら予定が
    バッティングしてしまい、ようやく
    踊り初めになりました。
    もう2月なんですけどね。
  • 身体のお手入れに余念がないうちの猫たち
身だしなみには気を遣うよねー(←ウメコ カツオ→)

告知

3月に日本公認会計士協会東京会が
会計イベント「ハロー!会計」を開催します。
親子でお金のことを学べる貴重なイベント。
参加無料なのでぜひ足を運んでみてください!

【小学生】
日 時:2025年3月20日(木・祝)
    14:00~16:00
    ※13:30開場。13:50までに
    会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:小学4~6年生
参加費:無料
定 員:40名(先着順)
※申込多数のため、定員増えるかもしれません。
【中学生】
日 時:2025年3月16日(日)
    14:00~16:30
    ※13:30開場。13:50までに
    会場にお越しください。
会 場:公認会計士会館 ホール1
対 象:中学1~3年生
定 員:84名(先着順)

【業務のご案内】

【SNS】フォローお願いします