「女性活躍推進」で逆に女性が粗末に扱われていないか?

会計

「女性活躍推進」
この言葉を聞かない日はないと言っていい世の中になりましたよね。
でも逆にこの言葉のせいで、女性が粗末に扱われてやしないかという
現実もあるようです。

「女性にも社会での活躍の機会を」
「女性役員・管理職の割合を増やしていこう」

こんな声が新聞やテレビで飛び交っています。

私も女性には大いに活躍していただきたいですし、
女性がやったほうがよりクオリティが高くなる分野や
女性の視点をビジネスに反映すべき状況はいくらでも
目にしてきました。

なんですが、最近雲行きが怪しいのが、女性役員や管理職の
人数や比率を数値化して、その数値を達成すべき目標として
設定するのがいいよね、みたいな風潮です。

この数値目標的なものは、ちょっとやめたほうがいいんじゃないかな、と。

昨日の夜、同じ会計士仲間と3人で飲みに行く機会がありました。
その中に私と同じ独立会計士もいたのですが、話の流れが
社外役員の依頼を受ける云々になりました。

その独立会計士の方曰く、どうやら、社外役員市場では
女性が圧倒的に就任しやすい状況のようですね。
「女性活躍推進」という世の中ではまぁそうなるよな、という感じです。

でも、女性役員が売り手市場なのはほかにも理由があるとか。

どうやら、女性役員比率の水準を少しでも上げるために、
「とりあえずでいいから、女性役員として名前を貸しておいてほしい」
という理由で採用される女性が一定数いるようです。

※活動実態はあるようなので、幽霊役員というほどではないようですが

これって、女性に対して大変失礼な話と思いませんか?

本来であれば、その女性自身の能力に役員としての資質があり、
かつ女性としての強みも活かせるからこそ役員に就任してほしい、という
流れがあるべきなのにもかかわらず、能力とか強みとかをまったく
考慮せずにただ数字合わせだけのために女性役員として籍を置いてもらう
ということですよ。

もちろん、すべての女性役員がこういう状況ではなく、大多数は
その資質と能力が認められている方だとは理解していますが、
こういう目的で女性役員が採用されている現実を見ると、とても悲しくなります。
「ジョセイカツヤクスイシン」の理念はどこへいったのでしょうね。
女性からしたら「性別だけが注目されて、自分自身の資質や能力に
目を向けてもらえていない」ともなって当たり前です。

これは、数値目標化したことの弊害だと思います。
この数値が低い企業は「あの企業は女性を大切にしていない」
「男性だけ優遇して、女性を下に見ているんじゃないか」という
目で世間から見られることを恐れるというマインドが働きます。

経営目標の数値化は大事です。
会計の世界も「Accountability」=「説明責任」ですから
最後は数字で利害関係者に説明が必要になります。

でも何でもかんでも数値化するのはそれはそれでどうかと。
「女性活躍推進」のように、数値化は慎重になったほうがいい価値もあります。

数字で表せないもの・ことこそ、その価値を大切に。

~編集後記~

  • フリーランス塾の塾生紹介サイトのパイロットメンバーになっているので、
    自分の個所のドラフトを。HP作成にお詳しい塾生の方々からアドバイスを
    いただけるので、大変勉強になります。
    アイキャッチ画像がなかなかしっくりくるのがなく…
  • 来年の年賀状の発注の郵便局のサイトで。郵便料金が値上げになったことで
    今までよりも年賀状代が高くなっています。インフレの波がこんなところにも。
  • 本当に寝心地がいいんだろうか、とこっちが心配になる姿勢で寝ているうちの猫
びよーん(なみ)

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