東京証券取引所は2023年3月31日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた
対応等に関するお願いについて」というマーケットニュースを出しています。
要約すると、資本コストと資本収益性の把握と分析、経営層のリーダーシップと持続的成長、
自社株買いや増配の位置づけを軸に、株主との対話を通じて透明で効果的な経営を
行うことを促進するためのガイドラインと言えるでしょうか。
株主価値を高めるのは大切です。株主は会社のオーナーなわけですから、
出資をしてもらっている方々に会社経営に関する対話を行うことは当然ですよね。
なのですが、この「資本コストや株価を意識した経営」という表題には
欠けてるものがあるんじゃないかなぁと思ったりします。
従業員に対する視点です。
当たり前ですが、現場で会社を動かしているのは、そこに所属している
従業員の方々です。その方が実務を進めてくれなければ、会社は存続しませんし、
収益も上げられません。こういった方々の会社への貢献はものすごいです。
しかし、ご存じの方もいるとは思いますが、今の日本はこの30年
まったくと言っていいほど賃金が上がらず、税負担・社会保険料負担の
増大で可処分所得は右肩下がり。
一方で企業は内部留保をどんどん増やしており、従業員への還元が
おろそかになっているんじゃないか?と思われても仕方がない現状があります。
東証のポイントの中で「人的資本への投資」という言葉は出てくるものの、
何か数ある論点のうちの小項目のような使われ方がしていて、どこまでこの点を
重視しているんだろうか…と不安に思ってしまいますね。
もっと大々的に従業員への視点も打ち出すべきではと個人的には思いますので、
例えば「資本コスト、株価および従業員への還元を意識した経営」としてみても
いいんじゃないかと思います。
~編集後記~
- 今日は月次決算支援第6営業日目。今日が締め日です。昨日のうちに6営のタスクをある程度前倒したおかげで、多少のイレギュラーはありましたが、吸収できるだけのバッファは持てたかなと思います。
- 明日からIPOコンサルの現場初日。業務プロセスのヒアリングと業務記述書・フローチャートの書き起こしがタスクです。しっかり予習して臨みます。
- 気温が急に下がって毛布から離れられないうちの猫
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