会計の世界でも、生成AIは様々な面で役立つと期待されています。
毎日の仕訳やAIOCR(※)を活用した領収書などの帳票の読み取り、
監査の自動化、経営幹部向けや投資家に向けた経営分析レポートの作成……
現在も活発な技術開発もどんどん。
しかし、逆に「生成AIが会計不正を生み出す可能性はないのか?」
という観点で議論されることは少ないように思います。
生成AIは、偽物の数字やデータを、本物そっくりに作ることができます。
これを使って、売上や利益をごまかすことが可能になるかもしれません。
また実際にはない取引やお金の流れをでっち上げ、粉飾決算を
行うこともやろうと思えばできるでしょう。
生成AIに多くのことを任せるのもよいですが、生成AIがどのように
データを作っているのか、その仕組みがわからないことも多いです。
これを逆手にとって、悪意がある人が生成AIを使ってウソのデータを作っても、
見抜くことが難しいケースも出てくるかもしれません。
「そのために監査があるんじゃないか!」というのはごもっともなのですが、
その監査ですらも、生成AIが使われてウソのデータが混ぜられてしまったら、
その不正を見抜くのはさらに難しくなります。
他にも、ハッキングなどで盗んだ会社のデータをウソのデータにすり替えたり、
生成AIが作るウソのメールやメッセージを使って、会社のシステムに不正にアクセスし、
データを改ざんする攻撃が増える可能性だってあります。
さらに危惧されるのは、生成AIが作ったデータが間違っている場合でも、
「やったのは生成AIなんだから」と生成AIのせいにして人が責任を
取らないようにする危険性も。
決してAIを否定しているわけではなく、要は使いようということです。
上手く使えばとても便利な技術ですが、悪用されると企業会計に大きな問題を引き起こしかねません。
AIのようなデジタルだけじゃなく、人間の感性や判断力を生かしたアナログも
しっかり生かさないとですね。
~編集後記~
- 月次決算支援第5営業日目。6営が締め日なので、佳境です。何とか順調に進んでるので
明日滞りなくしっかり締めていきます。 - ライティングスキル向上のため写経と音読を。今回はIPO実務検定HPの「東証、「資本コストや株価を意識した経営」の開示企業一覧表の見直しを公表」というコラムを使いました。
- 朝ご飯も終わって愛でてもらいたくてしょうがないうちの猫
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