いま、二宮尊徳の「報徳記」を読んでいるのですが、その中で
「民の憂いに先立って憂い、民の楽しみに遅れて楽しむ」という
言葉が印象に残りました。
調べてみると、この言葉は四字熟語でいうと「先憂後楽」となるようで、
范仲淹(はんちゅうえん 989-1052)という中国北宋の政治家の
「岳陽楼記」がもとになっているようです。
言葉の意味としては、「心配事は人より先に心配し、楽しむのは人より遅れて楽しむ」
ということで、立派な人物の心がけについて述べた言葉だとか。
これを見たときに、今私が読み込んでいる新リース基準もまさにそうだなぁ、と思いました。
新リース基準に限った話ではありませんが、私たち公認会計士は
会計のプロフェッショナルとして、常に知識の研鑽と実務経験の蓄積に
努めていなくてはいけません。
新しい会計基準が出たらそれをいち早く読み込み、
クライアントにどのような影響があるかなどを把握しておく必要があります。
基準が公表された直後は、当然ですが適用事例がないわけですから、
この基準をどう実務に適用していけばいいか手探りの状況で基準と向き合うことになります。
この作業がなかなかにしびれる作業でして…
しかも会計基準も法律のようなものですから、その独特の言い回しのおかげ(せい?)で
読み解くには本当に難儀します。
ましてや、我々のように常に会計に触れているわけではないクライアントからすれば
わからないことだらけであり、日々の業務に追われ新基準の動向に関心を向けることが
難しい方々も多いです。
そういったクライアントに先んじて我々公認会計士が苦労しながら基準を読み解いて、
基準の概要やクライアントに影響しそうなポイントをかいつまんでご説明したりするのは、
クライアントの心配に先立って心配をする、まさに「先憂」だと感じます。
そしてクライアントが無事新しい会計基準の適用プロジェクトを終えて
ほっと一息されているのを見ると、我々としても嬉しい限りです。
クライアントの成功を第一に考えた結果として、報酬にもつながります。
これが「後楽」に当たるのかなぁ、と。
私が軸にしている「会計×教育」にも同じことが言えると思います。
教育は短期間に結果が出るものではありません。
長期的な目線に立っていま何を教え育てるべきかという視点に立つ
必要がありますが、人は重要だけど緊急でないものに対してなかなか行動に移せないもの。
せっかく私は会計についてそれなりの経験を積ませていただいたので、
将来の会計人材のことを考えると、会計分野での「教育」で
できることがあれば、と思い活動し始めています。
会計の世界でも、会計に明るいとまではいかないまでも、会計の基礎的な
部分だけでも身につけることができれば、日々の経済ニュースも
違った受け止め方ができますし、物心ともにより豊かな生活が送れると信じています。
いまの日本人は決して経済や会計に関する知識が十分とは言えないでしょう。
もし十分ならこの失われた30年という結果になっていないなずなので。
公認会計士の使命でもある「国民経済の健全な発展に寄与」実現できるように、
人よりも一歩二歩先のことを心配して、何かお役に立ちたいですね。
そのためにも教育の現場を知らないと。
まずは会計普及委員会の活動、頑張ります。
~編集後記~
- ペン字
- IPO実務検定試験上級の勉強。ケーススタディ3周目に入りました。
- 新リース関係での執筆を。入り口部分なので慎重に組み立てています。
- 木曜日から1泊2日で行く長崎ツアーに向けた事前勉強動画の視聴を。
- ちょっと涼しくなったからなのかお気に入り毛布で暖を取りはじめるうちの猫
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